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頬杖ついて考える

ちょっとした出来事から掘り下げて考えてみる

「文系学部卒男性がもたらす若年層の権威主義化」

平成28年度の仕事のひとつが活字化されたので、関心のある方ない方に向けてご紹介まで。

大阪大学リポジトリ: 文系学部卒男性がもたらす若年層の権威主義化

 

これまで、人文・社会系の学問は、既存の知の体系を疑うという特徴を有するということが論じられてきました(例えば、吉見俊哉『「文系学部廃止」の衝撃』(2016))。

 

私も「文系」の側の人間の1人として、こうした主張には感覚的には同意したく思います。

また、そうした思考方法、価値意識上の特性が、文系廃止論に対する「文系」の「有用性」であるような気もしています。

 

しかし、今回の論文で示されたのは、どちらかといえば、そうした主張に対する否定的な結果でした。

一言で言うと、「文系」の男性の間では、大学進学率の高まりによって、既存の秩序を疑う態度が徐々に失われるという傾向です。

 

もちろん、「文系」的な知の特性と、「文系」的な知を手に入れた人たちの特性を同一視することには、議論の飛躍が含まれています。

ただ、先ほどの文系廃止論の議論の俎上に載るのであれば、重要なのはやはり「文系」的な知を手に入れた人たちの特性の方なのではないでしょうか。

 

以上のような話については全く論文中で言及していませんが、見方によってはそんな風にもこの論文は読めるんじゃないかな、というところでこの記事を書いてみました。